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中村 龍也; 片桐 政樹; 荒殿 保幸; 神野 郁夫*; 菱木 繁臣*; 杉浦 修*; 村瀬 徳博*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 520(1-3), p.76 - 79, 2004/03
被引用回数:8 パーセンタイル:48.76(Instruments & Instrumentation)InSb半導体検出素子と高密度ヘリウム3ガスとからなる低温中性子検出器を開発し、その中性子検出性能を評価した。ヘリウム3ガスを中性子コンバータとする中性子検出器では、チャンバー内に封入されるヘリウム3ガスの密度が高い程、位置分解能等の検出器性能が向上する。しかしながら、チャンバー内に封入可能なガス圧はその機械的強度により制限されること、また、高ガス圧下ではガス増幅率が低減するため良好な信号対雑音比で信号を読み出すことが困難となる、といった問題があった。そこでわれわれは4.2Kの低温環境を利用することで10気圧程度のガス圧においても常温,数100気圧に相当するガス密度を実現し、かつ、中性子捕獲反応の結果生成される二次粒子を低温動作可能なInSb半導体素子で直接検出することによりそれらの問題の解決を図った。4.2K,12.5気圧で動作させた試作低温中性子検出器によりその中性子検出特性試験を行い、低温,高ガス圧下においても本検出器は中性子を安定に検出できることを確認し、高い位置分解能,高い効率一様性,薄い検出厚さ等を有する低温中性子検出器としての実現性を検証することができた。